ICU看護師が身につけておきたいスキルや知識

命の危機に瀕した患者の対応を主に行うICUで働く看護師は、通常の病棟で働く看護師よりも高度なスキルやたくさんの知識が求められます。

ICU看護師に求められるスキルや知識の中で最も重要なものは、患者の状態をチェックするモニタリングです。ICU看護師の仕事の中でもモニタリングはかなり重要です。心電図モニターなどで患者のバイタルサインを常に観察するのはもちろんのこと、ベッドサイドにて全身の状態もくまなく観察します。刻一刻と変化する患者の状態を把握し、容態急変の兆候はないか、きちんと回復に向かっているかをアセスメントしていくのです。ICUでは意識不明の患者の対応を行うことが多いため、こうした患者の声なき声を反映するデータや状態の変化に目ざとく気づくことは、ICU看護師に必須のスキルや知識と言えるでしょう。

2つ目は患者の家族の心理状態を見抜く心に関する知識です。ICU看護師の仕事には、ICUに入った患者の家族の精神的なケアも含まれます。そのため、家族の心に寄り添い、それぞれにあった声掛けや配慮を行う必要があるのです。これらの対応はとてもデリケートなため、きちんと患者の家族の心の機微に気がつけるように、そうした感覚を養う勉強はしておいたほうが良いでしょう。

3つ目は医療機器の管理に関する知識です。ICUでは数多くの医療機器の取り扱いがあります。基本的には専任の臨床工学士が設定などを行ってくれますが、モニターのチェックや、緊急時の対応は看護師が行います。そのため、臨床工学士のような完全な知識とは言えなくても、設定の確認方法や緊急時の初期対応などは学んでおく必要があります。